君と夢に跳ぶ恋
そのままお父さんは私を強引に立ち上がらせると、部屋に連れて行って私をそこへ押すようにして入らせた。

「明日から学校と塾以外は外出禁止だ!お前には勉強が足りない!部屋で勉強しろ!携帯を出せ!」

私が携帯を差し出すと、お父さんはそれをひったくるようにして取った。

「そもそもこんな物買ってやったのも間違いだったな。これは俺が預かって、またお前が逆らうようなら解約してやる!」

涙が頬を伝う。

でも私が悲しいのは携帯を取られたからなんかじゃない。

夢や人生の自由をを奪われたからだ。

「お前もそのうち俺たちが正しかったと分かるときが来るさ。感謝しろ!」

なんて自分勝手な人なんだろう。

「今日はもうそこにいて勉強しろ!飯は食うな!サボった分はしっかり取り戻せ!」

そう言うとお父さんは扉を閉めた。

扉が閉まる際に見えたお母さんの顔は満足そう。

「・・・っ!」

涙が床に小さな水たまりを作っていく。

外からは家具を動かす音が聞こえる。

きっとそれを部屋の前に置いて私を閉じ込めるんだろう。
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