いつも側にいてくれたね


そう、夏芽と遥生が行く短期留学は僕が仕組んだことだったんだ。

遥生の学校も僕たちの学校もカナダへの短期留学制度がある。

冬休み期間中ホームステイをしながら語学留学をするというプログラム。

僕たちの学校は掲示板にその案内が貼り出してあるだけで、先生も特に薦めてこないから、毎年留学を希望する生徒はいないらしかった。

それとは反対に遥生の学校は成績の良い生徒に留学の優先順位が与えられ、それに遥生が選ばれていた。

せっかく選んでもらっているのに遥生は回答期限までに返事をせず、両親に相談もしていなかった。

遥生は短期留学なんて行くつもりは無かったんだろう。

僕は遥生には内緒で動いた。

まず両親に遥生の留学を許してもらい、その一方で僕の学校の先生に夏芽が留学できるようにお願いをした。

遥生の学園祭の時、僕は遥生のふりをして留学に参加したいと遥生の先生に伝えたんだ。

あの時は運よく遥生の先生から話し掛けてもらえて良かったし、僕のことを疑うことなく遥生だと思ってくれたのもラッキーだった。

ただ、僕が留学の話を勝手に進めていたことに対して、それを知った時の遥生はとても怒った。

留学には夏芽も一緒だし、留学先で夏芽を守って欲しいとお願いすると遥生は留学を渋々だけど了承してくれたんだ。

とにかく夏芽には先にある楽しみをたくさん用意したかった。

生きたいと思える楽しい未来を。

浅い考えなのは分かってる。

それでもいつ僕がいなくなるのか分からないんだ。

その瞬間に夏芽には笑っていて欲しいんだ。


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