いつも側にいてくれたね


私の幼馴染でお隣さんの双子、直生と遥生。

二人は見た目がそっくりで、身長や体型、声も似ている。

見分けるとすればお兄ちゃんの直生には左目の下に小さなほくろがあるところ。

小学校の時から一緒の子たちは直生のほくろなんて見なくても直生と遥生の区別はつくし、私は後ろ姿だけでも直生と遥生が分かる。

それだけ長い時間を一緒に過ごしてきたのに。

いつかは離れ離れになる時が来てしまうのかな。

なんだか急に淋しくなってしまって、教室へ向かっている足が止まってしまった。

「あはは、やっぱり気になったね夏芽。夏芽はあの2人が大好きなんでしょ? それにあの2人も夏芽のことが大好きだから、夏芽を一人ぼっちになんて絶対にしないって」

「そう、かなぁ。でも遥生は違う学校だし。高校生活、どうなちゃうんだろう」


高校生になった期待と、大人になっていく不安が入り混じった入学式だった。



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