いつも側にいてくれたね
私だけ蚊帳の外 *夏芽*


坂野くんに告白されてから何日か過ぎた時、坂野くんからデートのお誘いを受けた。

坂野くんはそのデートの時に返事を聞かせて欲しいと言う。

あまり返事を先延ばしにしても坂野くんに失礼だから、私はそのデートに行くことにして、坂野くんをもっと知ろうと思った。

≪ありがとう。じゃ、日曜日の10時に高田さんの家の近くまで迎えに行くね。楽しみにしてるね≫

坂野くんからの返信メールはとても嬉しそうな文章と、飛び上がって喜んでいるクマのスタンプが押されていた。

「くすっ」

そのスタンプが坂野くんに見えてきて思わず笑ってしまった。

坂野くんに返事をしようと文字を打っていたら、遥生からメールが入った。

遥生から? 珍しい。なんだろう。

用事があるなら家に来て話せばいいのに。


【夏芽、最近学校で何かあったか?】

何かあったか、って。

今度は何故か遥生が私の心配をしている。

直生からは何も聞いていないのかな。

そうだよね、直生は私が坂野くんに告白されてお付き合いするか悩んでいることなんて双子の遥生にも話していないよね。


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