いつも側にいてくれたね
『あなたはここで5年の生涯を閉じました。私と一緒に参りましょう』
どこからか聞こえてきた声。
周りを見渡しても誰もいない。
『あなたの魂を天国に連れて行かなければなりません。この世に未練を残さないため最後に一つ、願い事があれば叶えましょう』
目に見えないその人は優しい声で語りかけてきた。
「もしかして死んじゃったの? 夏芽は、夏芽は生きてるの?」
『夏芽さんは生きています。ですが夏芽さんはあなたの死に向き合えず一生涯後悔して過ごします。それは癒されることはなく、16歳で自ら死を選択するのです』
夏芽は自分のせいだと思い込んで自殺するって?
これは事故だよ。
夏芽のせいじゃないんだよ。
罪の意識から自殺をするなんて、そんなのだめだよ。
夏芽は生きて。