没落寸前の伯爵令嬢ですが王太子を助けてから雲行きがあやしくなってきました
「母がたしなんでおりました。ナーサリーのお茶。懐かしいですわ」

「そうですか。お母さまが…。ナーサリーの茶葉をご存じの方がおられるとは驚きですな」

キャベンディッシュ卿はふっと笑った。

「兄のサイラスがキャベンディッシュ商会の代表をしております。宝石の話を通しておきましょう。エドワーズ卿を通じて、日時と場所はお伝えします。近日中に連絡しますよ」

「ほんとですか?ありがとうございます」

よかった。なんとかなりそう。

夜会にも来た甲斐があるというものだわ。

フィリシティはほっと胸をなでおろしたのだった。
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