ブラスバンド! 〜青春は吹奏楽部で〜

序章 吹奏楽部のピンチ

 20XX年4月。私、松島優夢(まつしまゆめ)は春休みの最中だ。先月小学校を卒業し、そろそろ中学校生活が始まろうとしている。中学校の入学式は3日後だが、中学校が楽しみで、もう準備は終わった。
 なぜこんなにも楽しみかというと、一昨日の新入生説明会でクラス発表も行われた。それで小学校の頃から大親友だった蓮田美空(はすだみく)石橋友唯(いしばしゆい)も、一緒のクラスだったからだ。
 他にも、部活動も楽しみだ。優夢は吹奏楽部に入ろうと思っている。ちなみに、優夢たちの通う中学校は、1学年最低でも4クラスはあり、全学年で400人近くはいる。ど田舎なのにとても人数が多い。そのためか、部活の種類も多い。運動部には陸上部や野球部、バレーボール部だったり、文化部には新聞部や科学部、漫画部などがある。確か全部で十数種類あったはず。その中でも吹奏楽部は人数が少し他の部活と比べて少ない。それでも20人前後はいるが。
「そういえば美空と友唯は何の部活に入るんだろう……」
 そんなことを考えながら数日がたった。

 入学式当日。新品の制服に身をつつんだ生徒がたくさん入場してくる。
 先生や来賓の方々の話を聞いたり、担任の先生の発表があったり、校歌を聞いたりしたが、入学式はあっという間に終わった。その後ホームルームの時間。配布物だったり先生の話を聞いたりしてホームルームの時間も終わる。その後はすぐに下校だ。私は美空と友唯と一緒に帰る。
「そういえば二人って何の部活に入るの?」
私は気になっていたそのことを聞いてみた。
「私は文化部かな……」
美空が言うと、
「私も!」
友唯も言う。
 そう。私たちは3人とも運動が大の苦手なのだ。だから全員が文化部を希望しているらしい。ただ、文化部の何に所属するかは実際に体験入部なんかをやってから考えるらしい。
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