ブラスバンド! 〜青春は吹奏楽部で〜
『それって、恋愛漫画とかでよく見るシチュエーションだよね? 多分それ、運命の出会いってヤツじゃん!?』
 予想通りだ。やっぱりちゃんと茶化してきたし、『運命の出会い』なんて言われたし……
『いつも言うけど、陸斗さんのこと、憧れてるだけだからね? 勘違いしないでよ?』
 私、そうやって返したけど、やっぱり陸斗さんのことを考える度に、顔は赤くなるし、息苦しくなるような感覚になるし……多分、このことを美空ちゃんに言ったら、絶対に何か言われるし、最悪『付き合っちゃえば!?』なんて茶化してきそう……
『そうかな~? いつも部活中は陸斗先輩を目で追ってるのに?』
 それ、穂香ちゃんにも言われたことだ。
『じゃあさ、もし仮に私は陸斗先輩のことを好きだったとして、陸斗先輩は私のことを認めてくれると思う?』
『そんなん分からないさ。でも、恋愛ってそういうところが楽しいというかさ、そうやって失恋することも大事な経験だと思うよ?』
 はぁ……結局美空ちゃんと話し始めると恋バナが始まっちゃうよ……私、心の中では陸斗さんのことホントに好きだったりするのかな……? そうでないとは思いたいけど、どうなんだろう……あの出会いは本当に運命の出会いになっちゃうのかな……?
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