私の彼氏,ちょっぴりクズっぽい,です。
夜には佐久間くんからまた久しぶりの連絡が来て。
私は誤魔化したり謝ったりしながら夜を越えた。
朝には廊下で声をかけられ,驚いていると
「急だったから」
と申し訳なさそうにした佐久間くんに,私の好きなお菓子を数種類纏めてプレゼントされる。
『今度の球技大会,見てて。俺だけ,応援してて』
あれ,どういう意味だったんだろう。
佐久間くんよりも響くんを優先してしまった私はもう,この関係を続けてはいられない。
私は1度またねと手を振って,自分の教室へと歩く佐久間くんの背中に声をかけた。
1ヶ月後の,球技大会。
「今度の,球技大会,のあと……会える?」
私の言葉に,佐久間くんは驚いたように目を丸くする。
そして
「おう!」
と返事をすると,走っていってしまった。
「まっ……」
て。
言葉が,出なかった勇気に萎む。
話があります。
その大事な言葉だけが届けられないまま,私は数秒立ち止まって。
小さくうつ向くと,また歩き出した。
1ヶ月,たった30日ちょっと。
あと,たったそれだけで……