ヒスイのさがしもの
「にんげんか?」
「きたならしい」
「にんげんだ」
「めずらしいな」
「かわいいね」
「たべていい?」
妖怪? おばけ? 統一感のない、とにかく人でないということだけは絶対に言いきれるそれらの生物は、値踏みするように私を見る。
「なっ、なに、あれ?」
「かみさま。日本は八百万の神様がいる国だ。あらゆるものに宿り、神様は無数に存在している」
神様? ーーあれが? 『神様』なんて言葉からイメージする姿とはかけ離れている。
なにかわからないから怖かったけれど、よく見れば、みんな私より小さいし愛嬌のある顔の子もいる。
神様といえば、それこそ龍のようだったり、そもそも人間には見えなかったり、もっと文字通りの神々しさがあったりするものかと思っていた。
いつの間にか近くに寄ってきて、私をそっとつついているこの生物が神様なんて信じられない。