アンハッピー・ウエディング〜前編〜
…雛堂が去った、その直後。

「悠理くーん。手、洗ったよー」

寿々花さんが戻ってきた。

危なっ…。紙一重じゃないか。

「ちゃんと綺麗になったよ」

「そ、そうか…」

でも、雛堂がこのショッピングセンター内にいる限り、また鉢合わせする危険がある。

買い物も終わったし、甘いものも食べたし、早いところ撤収した方が身の為だな。

「そろそろ帰ろうぜ。もう良い時間だし…」

「うん、分かったー」

寿々花さんの聞き分けが良くて助かった。

雛堂に見つかる前に、俺は寿々花さんを連れ、急いでショッピングセンターを後にした。







…その日家に帰ってから、夜遅くまでおままごと遊びに付き合わされたことは、言うまでもない。




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