「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~

美貌の青年

「じつは、一度も飲んだことがないのです。だから、うれしいです。ありがたくちょうだいします」

 笑顔を添え、葡萄酒を受け取った。

 なにも笑顔が素敵とか可愛いとかいうわけではない。

 あくまでも、まだマシな表情だと自分なりに信じている。

 だから、自分では最高だと信じている笑顔をジョフロワに向けたのである。

 すると、彼はキラキラ光る顔の中にやさしい笑みを浮かべた。

(ワオ! キラキラ光る美貌だけでなく、こんなにやさしい笑みだなんて。世のレディたちは、なおさら放っておかないわよね)

 彼に群がるレディたち。

 それが容易に想像出来る。

 大商人エルキュール・ロートレックのもとで修業しているのだとすると、身分の関係なく多くのレディと接触するに違いない。
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