「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「そこにいる王子は、王宮で勤めていた侍女との子です。当然ながら、序列は最下位。しかも、見てくれだけで性格は最悪です。アムラン王国内の裕福な家柄のレディたちを、あの手この手でだましては金品を巻き上げています。ポケットマネーというのは、そういったレディたちが彼に貢いだ金貨なのです。とにかく、彼は国王の宣言を真に受け、実行に移したのです。つまり、彼はあなたに国王の病を治させ、自分が国王になったらあなたを捨てるつもりなのです」
「いいや。それどころかなにかしらの罪をなすりつけ、首を斬り落とすか強制労働をさせるつもりでしょう」

 ピエールのあと、またパトリスが口を開いた。
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