「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「まさか、まだいたとはな。とっくの昔に帝都に戻ったのかと思っていた」

 彼のごつい顔には、はっきりと不機嫌そうな表情が浮かんでいる。

「帝都に戻る理由がございませんので」

 魅惑的な翡翠色の瞳など、どこかにふっ飛んでしまった。

「ああ、そうか。まぁ、いいだろう」

 彼は、プイとよそを向いた。

 まるでわたしには関心がないとでもいうように。
< 78 / 294 >

この作品をシェア

pagetop