黒髪の眠りの聖女は永遠の愛を誓う
「……まだミオ様を独占するとこもできたんじゃないですか?」

「いいのよ。こうなることは10年前から分かっていたから」

「10年前から?」

「まだミオ様が聖女の間で眠りについていた頃に、たまに涙を流す時があったの。聖女様には何かつらく悲しいことがあるのだろうと思ったわ。でもウィリアムが声を掛けると涙が止まるの。そして微笑んでいたわ」

「そんなことが…。あの人はミオ様にしばらく寄り添っていたということですね…」

「ええ。お互い知らない人のはずなのに、この二人には何か運命的なものがあるのだと認めざる得なかったわ」

シエナは少し瞳を伏せながら微笑む。

「それにこの10年、ウィリアムがしてきた努力も知っているしね。聖女様に釣り合う為にと幼い頃から猛勉強していろいろなことを学び、革新的なことを率先して取り組んで政治手腕も次々と見せているし、国民の黒髪に対する迷信の払拭もかなり進んでいるわ」

「シエナ様…」

「眠る美しい聖女様に恋をしたのは……私もなんだけどね」

「……」

リックは少し俯いたシエナの銀色の髪をそっと撫でる。

「人払いをしてくれてありがとう」

「……いいえ。私の胸をお貸ししましょうか?」

「いらない」

「『本日のミオ様』はいかがいたしますか?」

「…後で聞いて」

フッと微笑みながらそっとシエナの輝く髪をリックはまた撫でた。

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