14年分の想いで、極上一途な御曹司は私を囲い愛でる
 めちゃくちゃイケメン……。

 大和さんの顔を思い出す。

「イケメンと言っても、好みで全然違うし……」

「好み云々じゃないですよ。本当にかっこいいんです。身長も高くて、脚が長くて、スーツが良く似合っていました」

 愛華さんの描写にますます大和さんなのかもと思う。でも、そうだとしても私が知っているのも不自然だ。

「取引先の人かもしれないね」

「ですよね~、あんなに素敵な人がわが社にいたら噂が飛び交っているでしょうし」

 彼女は納得して、コーヒーを入れに行った。

 さてと、仕事仕事。
 立ち上がったパソコンの各部署の名刺依頼書のファイルを開く。

 日本の主要都市にある支社や海外に点在する支社で働く人数は三千人を超える。
 さすがに海外支社の名刺は管轄外だが、日本支社のものは本社の総務課でまとめて業者に発注依頼している。

 土日を挟んでの月曜日の今日は、いつもよりも依頼数が多い。

 チェックしていく私の目がひとりの名前で留まる。
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