ブランカ/Blanca―30代女性警察官の日常コメディ
第1話 膝カックンと電話とグーパンと
一月十六日 午前八時二十八分
キッチンとダイニングスペースを隔てるカウンターに置いたスマートフォンが鳴っている。
緊急の連絡だろうか。私は今、ケトルベルを振り回している。
ケトルベルを床に置いてカウンターに行き画面に表示されている文字を見たが、私はその文字通りにスマートフォンをカウンターに置いた。
『出なくていい』
――岡島直矢だ。
同期の岡島は頻繁に連絡を寄越すが、私は絶対に出ない。ここ数日で七回目だが、私は絶対に出ない。
理由は警察学校時代、岡島は私に膝カックンをしたからだ。私はその日の事を一生忘れないと心に決めた。そして私はこの十四年間ずっと思い続けている。物理的に抹殺してやる、と。
私は警察官だから罪に問われるのはよろしくない。だから合法な抹殺方法を探しているのだが、ネット検索で見つからないまま十四年の時が流れた。図書館で調べた方が良いのだろうか。
キッチンとダイニングスペースを隔てるカウンターに置いたスマートフォンが鳴っている。
緊急の連絡だろうか。私は今、ケトルベルを振り回している。
ケトルベルを床に置いてカウンターに行き画面に表示されている文字を見たが、私はその文字通りにスマートフォンをカウンターに置いた。
『出なくていい』
――岡島直矢だ。
同期の岡島は頻繁に連絡を寄越すが、私は絶対に出ない。ここ数日で七回目だが、私は絶対に出ない。
理由は警察学校時代、岡島は私に膝カックンをしたからだ。私はその日の事を一生忘れないと心に決めた。そして私はこの十四年間ずっと思い続けている。物理的に抹殺してやる、と。
私は警察官だから罪に問われるのはよろしくない。だから合法な抹殺方法を探しているのだが、ネット検索で見つからないまま十四年の時が流れた。図書館で調べた方が良いのだろうか。