ブランカ/Blanca―30代女性警察官の日常コメディ

第25話 鼻血ブーとパパ活とパワハラと

 十二月二十四日 午前十時二分

 私は今、自分が所属している署に向かっている。

 今日は休みだ。なのになぜ署に向かっているのかと言えば、須藤さんから出頭命令が出たからだ。
 須藤さんからは、『まともな格好をして来い』と言われている。休みだからジャージで出頭するとでも思われているのか。心外だ。

 事の発端は十九日の岡島の電話だった。
 あの日の電話の要点は二点あり、葉梨が山野にフォーリンラブと、野川がパパ活していてパパは須藤さんという話だった。

 ポンコツ野川と須藤さんの件は複数人から聞いている。それぞれ噂話の出処が違うが、野川がデパートで服と靴を買っている隣に須藤さんがいたのは事実だと岡島は言った。だが、続けた話はどうにも理不尽な話だった。
 須藤さんが野川のパパだと本人の耳に入る前に、先に署の上にその噂話が届いてしまい、呼び出された須藤さんは絞られた。そして須藤さんはパパ活疑惑を持たれた原因の私にキレているという。

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