終焉告げる金色の蝶と死想の少女
 これはパンドラの箱と同じ。触れてはならない禁忌なのだとしても、どうしてそれを開けずにいられよう。


 少女に迷いは一切なく、その扉を開いた。




《蝶池神社》
泡沫市泡沫町☓☓☓

 蝶の形をした《蝶池》が人気スポット。


 この池には《終焉を告げる金色の蝶》の都市伝説があり、――蝶の池に眠る金色の蝶に願えば、望んだ終焉が訪れる、告げられるという。

《鍵》

・深夜0時に行くこと

・必ずひとりであること

・供物を捧げること



 神社の画像はないし、供物が何なのかさえも書かれていない。


 それでもいい。その謎がまた、心を高揚させる最高のスパイスになるのだから。



「泡沫市なら、電車で3時間くらいかしら。今からさっそく切符を手配して……」




 少女は無我夢中で手を動かす。どんな都市伝説も面白かったものの、いつも退屈でしかたなかった。



 ――これで、ようやく永年の夢が叶うのね。


< 3 / 30 >

この作品をシェア

pagetop