あの頃言えなかったありがとうを、今なら君に
ゴムが擦れているからか、それともそれだけ私の耳が敏感に音を拾ってしまっているのかー⋯

ぢゅぷぢゅぷとどんどん卑猥な水音を大きくしながら、何度も腰を打ち付けられる。

「あっ、あっ、や⋯あぁんっ、やぁ⋯!」
「ん、イきそうか?またナカすげぇうねってきてる」
「ば、ばか、言わな、あんっ、あ⋯ひゃんっ」
「いいぞ、何回でもイかせてやるから、なっ!」
「ひんっ」

部屋にパンパンと肌がぶつかり合う音と、私の嬌声が響き慣れ親しんだ自室だというのになんだか知らない場所に来てしまったような少し不安を感じた私は、ぎゅうっとそのまま盛岡に全身でしがみついていた。

「あ、くそっ、んな締め付け、んな⋯っ」
「ば、ばかぁっ、ばかぁ!!」

ゴム越しにビュクりと盛岡が達した事を感じる。
そのままずしりとした彼の重さを全身で感じながら心地好い倦怠感に身を任せると、途端に私の瞼が重くなってきてー⋯


「あー、くそ、次はもっと⋯って、山形?あ、おい⋯っ」
「ん⋯おやすみ⋯」
「え?おやす⋯い、いや、待てって俺は⋯」

どこか必死な盛岡の声が可笑しく、自然と頬が弛むのを感じながら私はそのまま意識を手放した。
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