愛を私にください 〜愛されたい姫〜
「スミレ、、」
あぁ、困らせちゃったかな…。
私がこんな話するから。

人殺しだって思われたかな。

玲「スミレは、そのこのことを大事に思ってたんだね」

うん…。
唯一無二の、存在だった。

だからこそ失ってしまった時、辛かった。

「ねえ、『どんなに悔いても過去は変わらない。どれほど心配したところで未来もどうなるものでもない。いま、現在に最善を尽くすことである。』って言葉、知ってる?」

「え、?」

「きっと、スミレはゆめ花ちゃんを止めれなかったことを後悔してるんだよね、あの時こうしていればこうなっていたかもしれない。あの子は今も生きてたかもしれない。って、」

そう、私が、あの子の人生を、
「そうやって、いつまでも抱えていくの?」
そう、だよ

私はゆめ花ちゃんを殺したんだよ。

「そんな事しても、ゆめ花ちゃんはもう、いないんだよ。」
…っ!
そのとおりだよ。
でも、私にはあの子が、必要だった。
あの子には笑っていてほしかった。
ゆめ花ちゃんにだけは、っ

「ゆめ花ちゃんはきっと、スミレが過去のことを背負って生きていくよりも、自分のことを忘れないで、自分の分まで、楽しく生きてほしいんじゃないかな?」

そんな、はず。
その時私はゆめ花ちゃんが死ぬ前日に言っていた言葉を思い出した。

「スミレちゃんは、生きてね。そんで私の夢も一緒に叶えてよね!」

あの時言っていた、『私の夢』っていうのは、

「生きる」、ことなの?

玲「泣きたいときは、泣いていいんだよ。」

…ッ。
ずっと抑えていたものが溢れた。
「っう、ゆめ花ちゃんっ、ごめん、ねっ…う、うぅ、ッ。」

あの時、こうしていればこうなっていた。
その言葉は時に助けとなり、
ときには誰かの心を傷つける刃物になる。
あの時こうしていれば、
じゃなくて、これからこうしていく。

後ろから指をさされたなら、私は、
―前に向かって、指をさす。








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