愛を私にください 〜愛されたい姫〜

礼美

「おーい、すみれ!早くっ!」
雄心が叫んでいる。
雄心のいる方に走って向かおうとした、その時。
ドンッ!!
「わ…、」
明らかにわざとぶつかってきたその子。
そう、
私を陥れた、王塁の現姫であり、義理の妹。礼美(れみ)
「うっ、スミレちゃん酷いよ…。ううっ…。」
たいして痛くもないだろうに泣き出した礼美。
嘘泣き、上手いんだか下手なんだか…。
涙もしっかり出ている。
…けど口元。
口角が上がってる。
気色悪い、
癖なのかな。
まぁ、きょうみないからどっちでもいいけど。
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