もくもく

『花瓶』

代わり映えのない日常に現れた、小さくて大きな違和感。
教室の窓際の一番後ろの席に置かれた小さな花瓶には、紫苑が飾られている。
なにも言えず私はただ泣くことしかできない。

……ない。一生、忘れない。

【真相】
教室のある席に置かれた、花瓶。
そばで黙って泣き続ける少女。
もしやこれはいじめの現場?

いや、そうじゃない。

この町では、先日
通り魔が発生していた。
被害者の女子中学生は、命を落としている。

紫苑(しおん)の花言葉は「あなたを忘れない」。

そう、少女は殺害された被害者だった。
憎しみの涙でなく、花瓶を飾ったクラスメイトへの感謝の涙を流していたのだ。
< 1 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop