転校から始まる逆ハーレム(本人に自覚なし)
ホームルームの後、前の席の女の子が話しかけてきてくれた。
「あたしは加賀美咲だよ!前の席だしなんかあったらあたしに聞いてね!」
「あ、ありがとう!」
加賀美さんは綺麗系の顔立ちをした美人でスカートをミニスカート丈にまで短くしている。すごく似合っててかっこいい!
でも急に褒めると嫌かな…
「加賀美さんは…好きな食べ物とかあ、ある?」
人と会話をするための引き出しが少なすぎる…高校生にもなって初めての会話が好きな食べ物って…恥ずかしくって少し顔が赤くなってしまう。
「可愛い」
小さい子を見るような温かい目を向けられてしまった…
「というか加賀美さんじゃなくて咲って呼んでほしいな?あたしも梨奈って呼んで良い?」
「さ、さきちゃん?」
咲ちゃんはクスって笑って
「咲で良いよ?でもまだ咲ちゃんでも良いや」
これは友達になれるかも…!
「かが…咲ちゃんってすごくかっこいいね!」
そういうと咲ちゃんは照れたように笑った。
「そう言われると照れる」
「見た目もだけど私にすぐ話しかけてくれたし…」
そういうとハッと我に帰ったように聞いてきた。
「そういえば聞きたいことがあったんだよ。一部の女子からすごい睨まれてるけど梨奈何かした?」
あたりを見渡すとすごい睨んでいる女の子が数人…
「あの子たち全員雪のこと好きな子達じゃん。雪と何かあった?」
雪って叶くんの苗字だ…苗字はまだ変えないことにしたから雪のままなんだよね。どうしよう…姉弟って言って良いかな?でも叶くんに確認してないし…
言おうか迷っていると授業開始のチャイムが鳴った。咲ちゃんが席に戻って黒板に向かう。
答えなくて済んだと胸を撫で下ろす。
ふと視線を感じて隣を見ると高梨くんと目が合った。今度はすごく綺麗な笑みを浮かべている。でもなんだかわざと笑っているようで怖い。私は授業に逃げるように前を向いた。
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