花縁~契約妻は傲慢御曹司に求愛される~
一抹の不安を抱えながらも起き上がる。
再びルームサービスで朝食をとっていると着替え等が届けられた。
ただ、一枚ではなく複数あり、すべて高級ブランド品だった。
慌てて抗議すると、気にするなとあっさり返されてしまう。
さらに服に合うバッグや靴も揃っており、総額を想像して胃が痛くなった。
これだけの高級品をおいそれと受け取れないし、一括は無理でも少しずつ支払うと告げると、一気に彼の纏う空気が冷たくなった。
「妻に必要な贈り物をするのは当然だ。いい機会だから話しておくが、家賃等生活に必要な費用を逢花が一切負担する必要はない」
生活費を支払う云々と言い出しそうだから、と不機嫌さを隠さずに言う。
「でも、依玖さんの収入には遠く及びませんが、私も働いていますし」
潤沢ではないけれど、社会人生活の中で少しずつ貯蓄もしてきた。
「自分の給料は好きに使えばいいが、結婚生活の費用負担は認めない」
ぴしゃりと言い切り、手元のタブレットに視線を落とした彼に、さらに食い下がる勇気は持てなかった。
有難い配慮のようだが、価値観の違いや彼の決定事項は絶対だと力関係を突きつけられた気がした。
少しでも一般的な夫婦のように譲り合って、同じ目線で話し合いたいのに、うまくいかない。
私が口を挟むと、なぜか機嫌が悪くなる。
再びルームサービスで朝食をとっていると着替え等が届けられた。
ただ、一枚ではなく複数あり、すべて高級ブランド品だった。
慌てて抗議すると、気にするなとあっさり返されてしまう。
さらに服に合うバッグや靴も揃っており、総額を想像して胃が痛くなった。
これだけの高級品をおいそれと受け取れないし、一括は無理でも少しずつ支払うと告げると、一気に彼の纏う空気が冷たくなった。
「妻に必要な贈り物をするのは当然だ。いい機会だから話しておくが、家賃等生活に必要な費用を逢花が一切負担する必要はない」
生活費を支払う云々と言い出しそうだから、と不機嫌さを隠さずに言う。
「でも、依玖さんの収入には遠く及びませんが、私も働いていますし」
潤沢ではないけれど、社会人生活の中で少しずつ貯蓄もしてきた。
「自分の給料は好きに使えばいいが、結婚生活の費用負担は認めない」
ぴしゃりと言い切り、手元のタブレットに視線を落とした彼に、さらに食い下がる勇気は持てなかった。
有難い配慮のようだが、価値観の違いや彼の決定事項は絶対だと力関係を突きつけられた気がした。
少しでも一般的な夫婦のように譲り合って、同じ目線で話し合いたいのに、うまくいかない。
私が口を挟むと、なぜか機嫌が悪くなる。