別れさせ屋に依頼をした私の結末
「どうしたの」

声をかけてもすぐに返さなかった彼女は、気まずそうな表情を浮かべて問いかけてくる。

やっぱり連絡しなくてよかったな、と心の中でつぶやく。

事前に言ってから来ることも考えてはいたけれど、言えば避けられるような気がしてやめていた。案の定、美奈は迷惑そうに眉間にしわを寄せている。

「……急にごめんね」

負けない。冷たくされても、ひるんじゃだめだ。

昨夜、こうすると決めたときから、ずっと、この言葉を唱えている。

腰かけていたベンチから、一歩、二歩と、美奈に歩み寄った私は、不安そうな彼女に微笑みかけた。

「ちゃんと話をしよう」

絶交なんてしたくない。

また仲良くしたい。

そう思うから、向き合いたい。
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