別れさせ屋に依頼をした私の結末
──翌日の昼休み。

「遊園地?」

放課後の予定を話すと、並木はサンドイッチを口の前に置いたまま、不思議そうに聞き返してくる。

「……うん。ずっと大樹の電話にも出てなかったから、昨日連絡したの。そしたら、今日は部活がないみたいで……。部室の掃除だけはするって言ってたから、“それ終わったら行かない?”って誘ったんだ」

会って話をするつもりだったけど、時間があるなら、その場所で話したい。

思い切って誘ってみると、大樹は迷うことなく「うん」と答えてくれた。

「そっか。……楽しめるといいね」

「うん」

「遊園地かー。オレも彼女と行こうかなー」

並木は深く聞いてこない。あっさりした態度で、応援をしてくれる。

一方の寺尾は、終始、スマートフォンを触りながら、パンを食べていた。

興味ないというかのように、その話が終わった今も、ゲームを続けている。

「……。私、トイレへ行ってから教室に戻るから、先に行くね」

「おー」

声をかけても、返事をくれるのは並木だけ。

寺尾からすれば、昨日のことがあるから、今日の私の予定には呆れているのかもしれない。振り回されているように感じているのかも。

屋上を後にした私は、何の反応も示さなかった寺尾を振り返り、小さなため息をつく。
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