逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 ワイトの白い体が徐々に銀色に輝いてくる。

 それと同時に繋いだ二人の両手がブルブルと震えはじめた。

「・・! な、な、なにを?」
 その振動が強くなる。
 ビリッビリッと鋭い音がひびく。

 銀色の輝きがアーロンに乗り移ってきた。

 二人の体が白金のように光りはじめる。

 アーロンの体を鋭い痛みが貫いた。
 さすがに苦痛の叫びをあげそうになる。
 歯を食いしばってそれに耐えた。目がくらみそうだった。

 ワイトの顔が目に入った。
 彼も苦痛にまみれてゆがんでいた。

「・・お、おまえ、いったい、なにを?」
 聞こうとした。

 しかし声を出す前に不気味な不協和音がはじまった。
 グワァン、グワァンと脳が破壊されそうな音だった。

 一定の周期を置いてそれが繰り返される。

 ・・・と、そこで意識がぷつりと切れた。

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