逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 急傾斜でそそり立つ山は、その形状のまま地底の谷底まで深くなっている。
 湖の構造も同様だった。えぐれたように深くなった湖底がどれだけの水を貯め込んでいるのか。
 
 そして、とデイズが続けた。
「そもそも桟を一気に抜くのは無理です。物理的にも水圧がかかっているし、人間の力では出来ることではありません」

「なるほど、人間の力では、ね」
 
 振り返って傍らのワイトを見た。
 
 彼はニヤリと笑ってうなずいた。


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