逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 彼女の目が問うように、
「あの、この方は、どなたでございますか」

「アーロン様よ、ネイラ」

「そうです、アーロン・ハインツ様です」
 壁際にいた執事だった。
「そして国軍の最高司令官様でいらっしゃいます」

 ネイラが瞠目した。すぐ飲み込めないように固まっている。

 アーロンが言い添えた。
「もう少し言えば、このソフィーの夫でもある」
「ええっ!」
「彼女はこの屋敷の女主人だ。もしお前がここに居たければ、好きなだけ滞在してもいいのだ、ソフィーの采配でな」

 ネイラが絶句した。
 口をあんぐり開けて二人を見ていた。
< 378 / 463 >

この作品をシェア

pagetop