逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ
 ザクザクと土を掘り返す。

 庭師があわてて代わろうとすると、
「私が自分でやりたいのよ」
 ア―ロンが作りかけた花壇に手をかけていた。

 庭いっぱいのフィアーラを、と彼は言った。
 どれだけ掘り返すつもりなのか、そこらじゅうが耕されている。
 ふふっと笑ってスコップを持ち直した。

 そんなとき、
「王宮からお使いが参っております」
 執事が呼びに来た。

「シュテルツ様が、ソフィー様に王宮にお越しいただきたいそうでございます」
「え、私に?」
「はい、どんなご用かわからないのですが」

 王宮にはまだ行ったことがなかった。

 急な呼び出しに戸惑っていると、
「では私達も参りましょう、私とリズがお供いたします」


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