【完】おにぎり恋愛日和‼︎

「えっと、了解って・・・え?くるの?ここに?」

この"了解"はどんな意味が含まれているのだろう。百面相をしながら携帯を見つめていると、サークル部屋のドアが数回ノックされる音が聞こえてきた。

失礼なこと承知で言うが、ここに普段出入りする人の中にノックをするなんて礼儀を持った人はいないはずだ。

 もしかして、本当に天音さんだったりして。

席を立って恐る恐るドアノブに手を掛ける。ギィと古びた音を立てながら開いたその先には、一段と目の下にクマさんを飼っている天音さんの姿があった。

「あー・・・お疲れさま、です」
「お疲れ。・・・なにその顔」
「いやぁ、今日も綺麗なお顔が台無しだと、」
「は?」

いえ何でもありません。かなり失礼なことを言っていたと我に返った私は閉口した。決してそのクマさんの所為で残念なイケメンになった、なんて思っていませんとも。相変わらずその美貌は健在である。
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