鬼の生贄になったはずが、溺愛されています
男の頭に黒い角が2本生えていることに気がついて、ハナの顔から笑顔が消えた。
同時に真っ青になって口をポカンとあける。

男の身長は2メートル近くありそうで、両腕、両足は筋肉で膨れ上がっている。
更に着ているものはボロ布で下半身だけを隠している状態だ。

ハナは両親から聞いていたので知っていた。
狭霧山には鬼がいること。

そしてその鬼はとても力が強くて、角が生えていること。


「もしかしてお前、生贄か?」


鬼が聞いた瞬間、ハナは意識を失ったのだった。
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