Moonlight−月光−
なんて読むのかわからないけどたいせつなものにちがいない。
もう一度会って、かえしてあげなきゃ。
男の子、きっとこまってる。
まだ小さなわたしの手のひらで淡い光を放つ指輪。
どうしてか、もう一度この指輪の持ち主の男の子に会いたかった。
会って、渡さなくちゃと思った。
名前も知らない男の子。
どこで会ったかも覚えていない男の子。
――これは珍しく雪が降った日のわたしの記憶。
最後の手がかり。
・*・