【短編】宝石男子〜イケメンと学ぶ元素記号〜
 いや、でもとつぜん出てきてとつぜんそんなこと言われたって、さすがのお母さんたちもすぐには受け入れられないでしょ。

 って、思ったんだけど……。


「まあ、瞳を守ってくれるの? しかもこんなにカッコイイ男の子が? うれしいわ」


 ニッコリと不審(ふしん)なんてどこにもない笑顔でおお母さんは受け入れちゃった。

 ガクッと力が抜けたけれど、お母さんは天然だし仕方ないかって思う。

 でもさすがにお父さんは……。


「す」

「す?」

「すごいな! 宝石が男の子に!? しかも守り石だって? 母さん、こんなすごい指輪を持っていたのか!?」


 何で教えてくれなかったんだ! とお父さんは興奮気味に声を上げていた。


「……お父さんまで」


 真面目がとりえみたいなお父さん。

 実は不思議なことが大好きだったらしい。

 はじめて見る興奮っぷりにちょっと引いた。


 でもそんな感じで四人のことはすんなり受け入れられちゃった。

 私はまだ戸惑いが残ってるのに、お母さんもお父さんも順応性(じゅんのうせい)が高すぎるよ。
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