あなたの知らない都市伝説十一【噂の井戸】
誰も住んでいない大きな洋館の廃屋敷があった。
廃屋敷を取り囲む庭には、朽ち枯れた草木や、雑草がボウボウと生え伸びている。
庭の隅に、古い井戸がひとつあった。 
井戸の深い底に溜まる黒濁した水。
昔から、落ちたら、二度と上がってこれないと言われていた。
深い井戸で、這い出てくることができない。
井戸が人を食べるから出てこれないとも噂され、人喰い井戸と呼ぶ人もいた。
けれど、井戸には、もう一つ、噂されていることがあった。
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