あしらってるつもりの浅黄くん SS03-04
抱きついた肩がビクッと揺れる。振り向いた浅黄くんと目が合った、瞬間。
「さわんなブス」
――……嫌悪感しかない声といっしょに、バシッと腕を払われた。
見たことない態度に固まっていると「チッ」と舌打ちが聞こえる。
「言ったよな。お前みたいなクソ女、大っ嫌いなんだよ。二度と顔見せんな」
ドン、と肩を押されバランスを崩すわたし。あ、転ぶな、と思ったけど時間がゆっくりに感じられた。
「俺の知らないところでさっさと死ね」
去っていく背中からはっきりと聞こえたのと同時に、べしゃっと青空にしりもちついた。
「……」
のどの奥がつまったように息ができない。
「だから言ったのに……」
いつの間にか隣に立っている小野寺くんがつぶやくように言った。
「……ま、ある意味止める必要ないんだけど。ぱっと見は可哀そうだからさ」
うん。考えればわかる。傷つかなくていい。
――……でも、夢の中でも浅黄くんは浅黄くんだし、ほぼ本人。
息ができない。くるしい。はやく空気を吸わないと……はやく――……
「さわんなブス」
――……嫌悪感しかない声といっしょに、バシッと腕を払われた。
見たことない態度に固まっていると「チッ」と舌打ちが聞こえる。
「言ったよな。お前みたいなクソ女、大っ嫌いなんだよ。二度と顔見せんな」
ドン、と肩を押されバランスを崩すわたし。あ、転ぶな、と思ったけど時間がゆっくりに感じられた。
「俺の知らないところでさっさと死ね」
去っていく背中からはっきりと聞こえたのと同時に、べしゃっと青空にしりもちついた。
「……」
のどの奥がつまったように息ができない。
「だから言ったのに……」
いつの間にか隣に立っている小野寺くんがつぶやくように言った。
「……ま、ある意味止める必要ないんだけど。ぱっと見は可哀そうだからさ」
うん。考えればわかる。傷つかなくていい。
――……でも、夢の中でも浅黄くんは浅黄くんだし、ほぼ本人。
息ができない。くるしい。はやく空気を吸わないと……はやく――……