私がアナタの運命です!-運命だから当然なのに、根拠を求められても困るんですがっ-
 そんな私が運命だという根拠を出せなかったなら。

「ジル、ジル……!」


 拙い、口付けと呼べるかすらわからない唇同士の接触。
 もしジルの友人たちと同じようにジルも私をそんな風に見ていたのなら、勃ってはいないだろう。


 けれどもし、もし私が根拠を出せて、運命だとジルも認めてくれたなら。

“昼間は怖くて聞けなかったけれど”

 あの時の答えが今目の前に昂りとして現れるかもしれないと思うと怖い。
 だが運命だと認められなければここで終わってしまうかもしれないのだ。
< 16 / 31 >

この作品をシェア

pagetop