明日がくる前に、君に「好き」って言いたくて。
今日も夏らしく、気温が高くて暑いのに、背中を流れる冷たい汗が、私の体温を奪っていく。


頭の上から聞こえる風にさわさわと揺れる木の葉の音や、ミーンミンミンとうるさい蝉の声も、だんだん遠ざかるように薄れていく。


そう思ってしまうぐらい、私が今から話そうとしていることは、とても怖くて、気が遠くなりそうで、ものすごい勇気が必要なこと。


考えただけで怖気ついてしまうけど、このまま黙っているわけにはいかない。
伝えなきゃ。


明日から夏休みが始まったら、今までみたいにほぼ毎日東雲くんと学校で会えなくなってしまう。


そうなる前に今日ここで、自分の気持ちを打ち明けて、この恋に終止符を打つって決めたんだ。


「わたしっ……」


思い切り顔を上げて口を開いた瞬間、心臓が早鐘を打った。


目頭がじわっと熱くなって、クリアだった視界が半透明にぼやけていって、ぐらりと揺れる。


「東雲くんのことが好きだった……っ」


正直な話、もう泣きそう。でも、涙をこらえて告白する。


「今まで言えなかったけど、ずっと、ずっと大好きだったのっ……」


< 2 / 7 >

この作品をシェア

pagetop