こんなはずではなかったのだが…… ― 女嫌いな天才脳外科医は真実の愛に目覚める
4,彼の胸の中で
「え~と、おにぎりにゼリーに、チョコに、栄養ドリンクにお茶」
火曜日の朝、会社近くのコンビニに立ち寄る。
恐らく今日も一度会社に入ったら、夜になるまで出られないだろう。
昨日はなんとか終電に間に合ったけど、間違えて自分のアパートに帰ってしまい、徒歩四十分かけて玲人くんのマンションに帰った。
 着いたのは午前二時過ぎ。でも、玲人くんはまだ帰ってなかった。
 自分は大変だと思ったけれど、玲人くんの方がもっと激務。しかも、人の命を預かる仕事。
 玲人くんも身体壊さないといいな……なんて考えながらリビングのソファに座り、そのまま気づけば気を失っていて、玲人くんが帰って来てちょうど目が覚めて……。
 マンションで三時間しか寝てないから、まだ眠い。
 でも、土日にたっぷり寝たから、その貯金があるだけ先週よりはマシだろう。
 それに、玲人くんのマンションという安心感がある。
 今日は日付が変わる前までには帰りたいな。
 土曜日に玲人くんにキスされたけど、そのことを深く考える余裕もない。
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