女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
優里は必死に俺の前で平気な振りをしているが、見ていて痛々しい。本人がなんと言おうと会社は辞めさせる。
 あんなブラックな会社、安心して働かせられない。
 俺と暮らし始めて事件が起こったのは、不幸中の幸いだったかもしれない。
 もしまだひとり暮らしだったら、彼女は対処する術も知らず、会社上司の言いなりになっていたと思う。
 今、彼女はシャワー中。
 今日あったことすべて洗い流せたらいいのだが、そんなにうまくはいかないだろう。
 あいつはそんな器用な性格じゃない。
 そういえば、シャワーにしては時間かかりすぎじゃないか?
 優里が気になってバスルームに様子を見に行くと、すすり泣きが聞こえた。
 彼女が小学生の時から知っているが、泣くのは見たことがない。
 だが、今夜のようなことがあれば泣いて当然だ。
 バスルームのドアを開けると、バスタオルを身体巻きつけた彼女が泣きじゃくっていて、胸が痛くなった。
「優里?」
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