ひとたらしどうし
早く帰ったほうがいいのは、わかっている。


今日の夜も夜勤だから、早く帰って寝た方がいい。


だけど、ぐったり疲れてしまってなかなか椅子から立ち上がることが出来ない。


椅子にお尻がくっついてしまって、温められた溶けたチーズになった気分。


チーズになった自分を想像したら、笑えてくる。



その時、ドアが開く音がして、


「すみません、いいですか?」


入ってきた白石さんが、自販機を指差しながら私に言う。


「…も、もちろんですッ!!」


突然の白石さんの登場に、大声の裏がえった声が恥ずかしい。


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