ひとたらしどうし
「恥ずかしい?どうして?オレ、柚ちゃんのカラダの隅から隅まで、見たし触れたよ?」


キレイで柔らかくて、夢見心地だったな。


ふふ。


緩やかに弧を描く、くちびる。


そのくちびるに何度だって見とれる。


ついさっきまで、このくちびるが、私の全身にくまなく触れてくれたのだ。


この、くちびる、が。


ふたりきりの、バスタブの中。


叶夢さんといっしょに入ると、いっぱいいっぱいで。


自然と肩と肩。


腕と腕が触れている。


同じハナウタも、同じように思うことも。


ゆっくりでいいんだと、思う。


もっともっと、叶夢さんを知って。


もっともっと、私を知ってもらおう。


ゆっくり、ゆっくり。







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