ひとたらしどうし
叶夢さんが出てきてくれた、夢を見ていた。


おだやかに笑う笑顔も、白い歯を見せて、思い切り笑ってくれる姿も。


何度見ても、飽きないな。


ふふ。


夢の中で、叶夢さんといっしょに笑っている。


まぶたを透ける、オレンジ色にゆっくりと目を開けた。


「あ、起きた?柚ちゃん、おはよ」


私の隣で、半身だけカラダを起こして、私を見下ろしている、叶夢さん。


その半身は、素肌のまま、で。


目のやり場に、困る。



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