溺愛社長の2度目の恋
第10話 私が淋しくないようにすると決めたのだ
目が覚めたら、有史さんが私の顔を見ていた。

「おはよう、夏音」

ふふっと嬉しそうに笑い、ちゅっと軽く口付けしてくる。

「お、おはよう……ゴザイ、マス」

ううっ、あんなことをしたあとだと、どんな顔をしていいのかわかんないよー。

「朝、目が覚めて一番に目に入ってくるのが夏音の顔だなんて、幸せだね」

もう一度、私に口付けして有史さんは起き上がった。

「僕はシャワーを浴びて朝食を作ってくるから、夏音はゆっくりしてていいよ。
身体、つらいでしょ?
昨日は無理させちゃったし」

意味深に彼が、私に向かって片目をつぶってみせる。

「えっ、あっ、……うわあぁぁぁぁぁ」

それで昨晩のあれやこれやを思い出し、意味をなさない声を上げて布団の中に潜り込んだ。

有史さんの言葉に甘えて、お布団の中でごろごろする。

……とうとう、有史さんの本当の奥さんになったんだ。

左手薬指に嵌まる指環を見て、ついにやついてしまう。

「夏音ー、起きてるー?」

「はひっ!?」

不意に有史さんから声をかけられ、変な声が出た。

「もうすぐ朝ごはんできるから、起きてるならシャワー浴びておいでよ」

「はーい、そうしまーす!」

私も返事をし、ベッドを出た。

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