麗しの旦那様、私の愛は重すぎですか?

「おはようございます、暁成さん」

 櫻子は暁成が眠っているのをいいことに、額にそっと口づけた。

「う、ん……」

 暁成の瞼がピクリと微かに動く。

(起こしてしまった?)

 櫻子の心配をよそに暁成は寝返りを打つと、そのまま寝入ってしまった。
 櫻子はホッと胸を撫で下ろし、フローリングに散乱している下着とルームウェアを身につけていった。
 身体には昨夜の行為のあとが生々しく残っており、動くたびに甘く疼き、櫻子を大いに困らせた。
 二人は結婚してまだ半年足らずの新婚夫婦。
 毎夜のように暁成から求められる夜の営みに、ようやく身構えずに応じられるようになったところだ。

 着替えとメイクを済ませた櫻子は寝室を出るといそいそと家事をし始めた。
 洗濯機を回し、換気のために窓を開け、フローリングに埃取りのモップをかける。
 観葉植物に水をやり、コーヒーメーカーに豆をセットし、スイッチを入れた頃に暁成が起床してくる。

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