才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ
別れ

「咲優(さゆ)……別れよう……」

「え?嘘でしょ?」

「僕は冗談でそんなこと言わないよ、幼なじみなんだからわかるでしょ」


幼なじみの彼女に別れを切り出したのは高校1年生のゴールデンウィークの最終日、いつものように呼び出されて彼女の部屋に行くと抱きつかれていきなりキスをしてくる。

「んっ、…理久斗…」

僕は咲優の肩を持ってキスをやめ、さっきの別れの言葉を告げたのだ。

相馬理久斗(そうまりくと)は中学1年から付き合っていた1つ年上の咲優に別れようとやっと言えた。





咲優は可愛い女の子で、中学に入ると「私の彼氏ー」と友達の前で言われ、まあ嫌いじゃなかったし、まあいいかと付き合ってきた。

1つ年上とあって咲優が色々決める事が多くて、それも僕は嫌ではなかったが、咲優がM女子校に通い始めてから少し外見も言葉遣いも変わってきた。

髪色は派手になり、バイトも始めたと聞いた。

僕は家から近くの進学校のA学園に通いたくて勉強もしなければいけないんだけど、塾終わりに咲優からLINEが入っていると帰りに家に寄って身体の関係を持っていたんだ。



「ピアスは校則違反じゃないの?」

耳につけてあるピアスにキスをする。

「それがね、校則でOKになったんだよ、香水も変えたのわかる?」

嬉しそうに話す咲優がいた。

「へぇ」

「可愛くない?」

「んー、普通」

僕は香水は好きじゃない…………でも咲優には言わなかった。
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