才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ

響は昨日延長練習に残った事をLINEに書いて凛華に送っていた。


今日はもう週末だ。



試写会は日曜日の夜だった。



理久斗先輩にチケットをもらい、部活の帰りに凛華先輩に見せる。



「まさかの試写会とはねー」



「理久斗先輩のお父さんが仕事関係でもらってきたらしいんですけど、妹さんの都合で行けなくてって言ってました」



「へぇ、ラッキー、それに昨日も相馬くんと紗英を二人にならないようにしてくれたんでしょ?やるじゃん(笑)」



「俺、周りが見えたっす(笑)でも何で愛菜先輩がいない時に隙あらばって理久斗先輩に声かけるんでしょうね、どう見てもお似合いのカップルなのに」





「そうねー、諦め方って人それぞれだからね」



「あー、そっか……想いが叶わなかったら諦めなきゃいけないのか……」



響の声は小さくなった。



俺も凛華先輩を諦めなきゃいけない時が来るのかな。



今やれる事をしよう。



後悔をしないように……




「何を考えているの?」



「何でもないっす」



響は当日の時間を凛華と決めながら帰った。




そうして俺は上映会の日に凛華先輩と出かけることが出来たのだった。



「凛華先輩、俺がチケット取ったんじゃないのに何で一緒に見てくれたんすか?」



「だって、映画が!見たかったんだもん、学校も休みに入るし、絶対中々席が取れないと思っていたから」



「一人でも行ってたすか?」



「んー、どうかな(笑)」って事は俺はラッキーだったのでは?



理久斗先輩にマジ感謝っす!



< 132 / 274 >

この作品をシェア

pagetop