才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ

「あの人は多分家政婦さんだ」


理久斗が言った。


愛菜から聞いたことがある。


「家政婦さんがいるなんて凄い家だね」


「僕もまだ愛菜の家の事情はよくわからないけど、愛菜の家族はほとんど仕事でいないんだよ」


「へぇ、そうなんだ、お弁当は持ってはきてないことは知ってる、そういう理由なんだね、愛菜とは仲はいいけど家の事ってあまり話したことはないんだよね、とりあえず家族構成くらいかな」



愛菜の最寄り駅のバス停で立っていると凛華にLINEが入った。



本堂くんからだった。



今どこですか?と尋ねてきたからバスで電車の駅前にこれから向かうと返した。



凛華と理久斗は家の方向が違うため別のバスに乗る予定だった。



相馬くんが送ってくれると言ってくれたのだが駅までの路線があるから大丈夫よと断っていたのだ。




「本堂くんも帰ってきたみたい」



「そっか」



駅前行きのバスが先に来て理久斗は凛華を見送った。






駅前にバスが到着して降りると本堂くんがニコニコしながら立っていた。



「久しぶりっす」


「はぁ……知らない」



「先輩、腹減りましたよね、焼き肉行きません?」



「焼き肉で私の機嫌を取ろうとしてるの?」



「機嫌?凛華先輩、機嫌が悪かったんすか?何で?」



「…っ、別に、色々あったのよ!行くわよ」



「うす!」


何事もなかったように普通なんだけど……


凛華の後ろをいつものようについてくる響。


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