才色兼備で高嶺の花の彼女を溺愛したいんだ

「ご馳走さま、美味しかった、ありがとう」

愛菜は食器を下げて洗った。


「ん、置いてて…ゴクン…いいのに」


「ううん、作ってもらったし、大丈夫よ」


「ゴメン」



「洗面所借りるね」


「うん」


愛菜はいつもポーチに入れている歯磨きセットを取りにあがり洗面所にむかった。



なんか……一緒に住んでるみたい。


洗面所の鏡を見るとほんのり顔が赤くなっていた。



すぐ赤くなっちゃう、ちょっと考えただけなのに…

愛菜は深呼吸をした。



昨日も恥ずかしすぎて顔が熱くて……



ずっとそんな状態が続いてりっくんとは繋がれなかった。


泊まるって言ったのは自分なのに、申し訳なかったな。



キスでもまだ恥ずかしいのに……



あー、キスを思い出したらまた赤くなっちゃった。



また深呼吸をして、赤みがなくなってから洗面所を出た。



カバンとコートを持っておりた。


「りっくん?」


「ん?」


声はしたけど姿が見えない。


「どこ?」


「ここ、あっ、こっちこないで待ってて」


「わかった」



どうやらダイニングにいるみたいだけど対面式のキッチンの向こう側でしゃがんでいるようだ。



しばらくすると頭が見えて水を出している。



「どうしたの?」



「味噌汁の残りをタッパーに入れてたらこぼした…」



ああ、それで床を拭いてたのか。



「りっくん、私一度帰って着替えてくるね」



「え、どっか出掛けるかなって思ってたけど」


「シャワーもしたいし一度帰るよ、お昼前には来れると思う」


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